版画の基本は4版種☆リトグラフ編

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「青空野花」リトグラフ

「ミサニャンこと版画家の積山ミサです!」

昨日から、だんだん本気出して

専門分野である、版画のことについて語ります💗

今までのは、Blogの書き方がいまいちわからなかったので助走です!( ゚Д゚)

本領発揮しますよ~⭐

今回は、リトグラフ編についてです☆

 

版画は基本の版種が4種類!

版種は4種類なんです、もう決まってる~約束事。

凹版・凸版・平版・孔版、がすべて

デジタル版画とか、最近の新しい技法については

新しい項目で多少分類しづらいので例外となりますが

やはり基本は4種類でおさまるのです!

 

これは…

凹版(おうはん)→銅版画

凸版(とっぱん)→木版画

平版(へいはん)→リトグラフ

孔版(こうはん)→シルクスクリーン

となります。

 

例えば、平版(へいはん)とか!

例えば、平版は、ほとんどの技法がリトグラフしかありません。

ウオーターレスリトグラフという、

水を使わない、新しいタイプのリトグラフも最近開発されました。

ウオーターレスリトグラフ=シリコン版画

木版画と併用する、木版リトグラフは媒体にカゼインを用います。

これらも、平版で正解です。

 

リトグラフ=石版画です。

最初は「石」というだけあって、石灰岩の石版を使用します。

 

現在では、「石版」めったに見ることないでしょうね~!

 

今では、アルミ版の金属版か

SP版などの写真製版用の版を使ったりします。

 

石版は、19世紀に大活躍した印刷の発明品なのです!

18世紀末に、

アイロス・ゼネフェルダーという人が石版画の原理を発明しました。

彫ったり削ったりしない、そのまま書けば印刷できるといった

たいへん画期的な発明でした。

ゼネファルダ―はこの印刷技術の特許を取って

楽譜の出版で大儲けをしましたが

晩年は不幸な人生だった伝説が残っています。

 

ほんの1例として

大正時代期までは、日本酒やビールなどの宣伝広告ポスター など

戦後60年代くらいまでは

「缶詰め」「ビン詰め」のラベルや、「マッチ箱」のラベルなど

食品パッケージなどの印刷に多用されました。

 

印象派の美術がお好きな方は

ロートレック の 劇場ポスター

トゥールーズ・ド・ロートレック「ムーランルージュ」

画像2

 

 

ミュシャ の パリ時代のグラフィックデザイン群 ポスターや版画作品

 

アルフォンシュ・ミュシャ「ジスモンダ」

画像3

などが、リトグラフ作品として超有名ですね!

 

18世紀末の発明なので

それ以前のリトグラフの作品というのは絶対にありません。

ぜったいナイ☆彡

 

石版画の最初の巨匠オノレ・ドーミエが、1808年2月26日生れ🎂

ですので、彼の最初のリトグラフでの業績が偉大過ぎて、

美術史的にはドーミエから語られることが多いですね。

 

それ以前は、絵画作品での使用の前に

楽譜印刷としての、需要がとても高かったからなんです。

これまではお貴族様専用だったクラシック音楽が

だんだんピアノが中流家庭に普及することによって

庶民まで広がっていった時代背景があります。

=この時代に、個人の楽譜の需要が増えたのです!

発明者のアイロス・ゼネフェルダーは特許を取って大金持ちになれました!

彼の発想は、最初っから楽譜の印刷目的でした。

リトグラフの印刷技術が確立される前は、

楽譜は、写譜(1枚ずつ楽譜職人さんが手で模写)されていた。

あるいは、銅版画で刷られていました。
(モーツアルトの楽譜が銅版画で刷られていた記録が残っています。)

ポーランドの「ショパン博物館」で現存する楽譜を拝見した時は

「自筆の楽譜」と「リトグラフで刷られていた楽譜」を

実際に確認できて感動しました!

ショパンの楽譜は時代背景的にもばっちり合っているね~☆

リトグラフの代表格☆輪転機への進化

最初は

本物の「石」(石灰岩の石版)だったのですが

時代と共に、石の版は非常に重たいので、

より軽い金属版に転用されていきます。

ジンク版とかアルミ版とか…ですね。

 

金属の版にした結果、輪転機が発明されました!

金属版は丸めて円形にすることが出来たので

そのおかげで高速印刷が可能になったのです=輪転機の開発です!

なので、平版は今の印刷技術の元祖なんです~

 

新聞や雑誌が高速印刷が可能になったために

時代の産業化の波に乗れたもの~リトグラフが発明されたおかげなのです!

 

リトグラフの特徴

リトグラフの版の最大の特徴は

彫ったり削ったりしないでも書いたままでプリントできる版画です。

 

版に直接かいたものが、科学的な処理によって

そのまま印刷することが出来ます。

 

刷るときには水と油の反発力を使用することを、最大の特徴としますので

水彩インク使用は不可能です。

なので必ず、油性インクでの使用でないと、刷ることが出来ません。

 

現代の印刷技術は、このリトグラフで超高速印刷が可能になりました。

 

今のあらゆる印刷に使用されています。

最近は、時代の変化でデジタル印刷が出てきたので

次の時代の印刷ステージに行っていると思います。

 

印刷すること自体の必要性がだんだんとなくなってきていますよね~

 

スマホやタブレットなどの普及で

書籍も電子ブックとかに徐々に移行しているので

近い将来のうちに

「紙で本を読んでいるの~贅沢だね☆」

という時代が絶対来ます。

 

書物の歴史では

紙の発明以前はパーチメント(羊の皮など)に

聖書を記していた時代もあります。

 

なので、紙の文化も時代が進めば

「昔の漫画は、このザラザラの紙の質感が良いのだよね~!」

と、雑誌の漫画本が博物館入りする未来が来るでしょうね~☆

 

(現代の印刷物は紙の酸化という別の問題がありますが…

和紙なら良いのかな~!

漫画の王道「鳥獣戯画」や「北斎漫画」なら後世に必ず残りますね♡)

 

最後にミサニャンのリトグラフ作品

キリがないので

最後にミサニャンのリトグラフ版画作品をご紹介して幕です!

 

お~い! ここで読むのをやめないでね~‼

 

今日も、最後まで作品も見てって下さいニャンよ~(=^・^=)

 

「青空野花」(あおぞらのはな) 積山ミサ

画像1

 

リトグラフで 18版24色くらい E.A. のみ

ヒガンバナが初秋の青空に向かって群生しているイメージです!

ブルーの色がとっても綺麗なんです~☆

本物の石版石を使った版画作品です。

 

ツミヤマミサ版画工房では

本物の石版石を今でも使用して制作を進めています。

 

今後は、石版での技術の継承が課題です。

リトグラフの刷りの技術を身に着けるだけでも大変なので

若い作家さんはリトグラフの制作までたどりつけないことが多いです。

 

巨匠の画家になって、職人の刷り師さんに作品を刷ってもらう…

とかします。

 

現状では、日本画の有名先生の本画をレプリカされた

普及用のリトグラフ版画(それでも超高級品)が多いですね。

 

作家のオリジナルのリトグラフ版画がもっと増えればよいと思いますが…

これも時代の流れですかね~☆

 

いつも、昔から(もぅ20年以上くらいのお付き合いになります!)

広島の画廊「ギャルリ青鞜」(ぎゃるりせいとう)さんで

積山ミサの作品を取り扱ってもらっております。

 

作品のお問い合わせは、こちらにどうぞ~ ↓

画像4

 

広島駅前近くの老舗画廊ですので

広島に来られた際には、ぜひお立ち寄りください。

マツダZOOMZOOM球場(現広島市民球場)の
すぐ近くにギャラリーがあります↓

アクセス | GALERIE青鞜 - 広島の画廊

 

それでは、明日は

下から順当に行くと「凸版=木版編」になるのか?

木版は皆さん一度は小学校の授業とかでやったことがあるハズ!

なので明日は楽勝かな?

 

日付が変わるまでには、書いときますニャンよ~(=^・^=)☆

 

デパートさんでのグループ展も始まるので

絵もちゃんと描いといてね!ミサニャン‼(←自分で反省⭐)

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